犯罪トピックス

甲府一晩で不審火5件 山林や車 連続放火の可能性も 山梨県

カテゴリー:
放火・不審火
都道府県:
山梨県

2025年2月27日付 読売新聞朝刊12版・山梨

 山梨県甲府市で25日深夜から26日未明にかけ、山林や車、建物が燃える不審火が5件相次いだ。いずれもけが人はなかったが、防犯カメラに火災が連続して起こる様子が映っていたほか、1か所からは油とみられる成分が検出されるなどしており、県警は連続放火の可能性もあるとみて、捜査を進めている。 

 25日午後11時5分頃、甲府市愛宕町の愛宕山周辺で「山が燃えている」と、通行人から119番があった。消防が駆けつけたところ、約100メートル離れた県立科学館に隣接する駐車場でも車が燃えているのが発見された。 

 ともに約2時間15分後に消し止められたが、山林と駐車場に止めてあった県所有の公用車1台の一部が燃えるなどした。 

 その通報から約50分後の同日午後11時55分頃には、県立科学館から約500メートル離れた「愛宕トンネル」周辺の山林で2件の火災が、ほぼ同時に発生した。道路沿いの草木などを焼き、約2時間半後に消し止められた。甲府署によると、これらの火災で、約540平方メートルが焼けたという。 

 捜査関係者によると、愛宕山周辺の防犯カメラでは連続して火災が起きる様子が捉えられていたという。 

現場で油性反応 26日午前1時40分頃には、愛宕山から道沿いに約4キロ離れた同市千塚で、マッサージ店や飲食店などが入る2階建て建物の外壁や給湯器などを焼く火災が起きた。建物全体に燃え広がる前に消火されたが、捜査関係者などによると、周辺から油性反応が数か所確認されたほか、ペットボトルや布のようなものが見つかったという。 

 出火場所付近にはプロパンガスのボンベなども置いてあった。火災を通報した大家の男性(70)は、「火が見えたので、急いで消火器を持って行った。ペットボトルなどは自分のものではない。不審火だとすれば怖い」と驚いた様子で話した。 

 この現場近くには、住宅や学校などが密集しており、近所に住む自営業男性(63)は「火災の原因が分かっていないのは怖い。段ボールなどの火の元になりそうなものは外に置かないようにしようと思う」と話していた。 

 県警では愛宕山付近で起きた4件の火災、同市千塚で起きた火災のいずれも周辺に火の気がないことなどから、何者かが火をつけた可能性が高いとみて関連を調べるとともに、周辺のパトロールを強化していくことにしている。 

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