防犯パトロール

YC所長に感謝状 魚津署 高齢者に声かけ保護 富山県

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富山県

 富山県警魚津署は、道に迷い家に帰れなくなっていた70代の男性を保護したとして、感謝状を贈呈した。迷わずに声をかけたことで、高齢者の無事保護につながった。

 70歳代の男性を保護したのは、読売新聞販売店(YC)富山滑川(滑川市上小泉)の四十万(しじま)勇士所長(42)。

 四十万さんが早朝の配達業務を終え、帰途についた、昨年12月16日午前5時頃。まだ薄暗く、小雨が降るなか車を走らせていると、ヘッドライトが道の真ん中にお年寄りをとらえた。

 配達の際、明け方に散歩する高齢者をよく見かけてきたので、最初は「危ないな」と思っただけで、通り過ぎてしまった。だが「何か変だ」。見れば、雨の中、かっぱは身につけているものの、ズボンはびしょぬれ。水がぼたぼたとこぼれ落ちていた。すぐに車を止め、「何しとるん」と声をかけた。

 すると男性は「家が分からん」「川に落ちてしまった」。寒さからかぶるぶると震えており、急いで車に乗せて毛布にくるみ、暖房の温度を上げて、警察と消防に通報した。

 待っている間に男性と話したが、自宅の電話番号も分からず、家族と連絡も取れない状態。駆けつけた警察と救急隊に状況を説明し、後を任せた。

 見ず知らずの人に突然、声をかけるのには勇気が必要だ。それでも、普段から新聞配達員として「地域の見守り役」を意識する四十万さんに迷いはなかった。

 常日頃、配達時に普通でない様子の高齢者を見かければ自ら声をかけ、販売店の所員には「新聞がたまっている家はないか」「怪しい人を見かけなかったか」と、いつも目を配るよう伝えているという。

 2月5日に感謝状を贈呈された四十万さんは「(他人への)声かけは危険があるかもしれないし、怖いときもある。それでも、本当に困っている人だったら、見過ごすわけにはいかないですよね」と話した。

写真=感謝状を受け取った四十万所長(5日 魚津警察署で)

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