防犯パトロール

YC配達員 高齢者を保護 「お散歩ですか」声かけ奏功 富山西署 岡村さんに感謝状富山県

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2,026年6月20日付 読売新聞朝刊・富山
 道に迷っていた高齢男性を見つけて保護に貢献したとして、富山県警富山西署は19日、読売新聞販売店「YC大沢野八尾」(富山市東大久保)、新聞配達員岡村満春さん(57)(同市下大久保)に感謝状を贈った。日頃から配達の際に心がけている声かけが奏功した。(小原倫太郎)

 ◇山中の県道で

 岡村さんは今月14日午前6時25分頃、配達のため、店から約6キロ離れた富山市八尾町岩屋の山中の県道を車で走行していたところ、道路脇の電柱付近で、あたりを見回している男性を発見した。

 「お散歩ですか」と声をかけると、「車に乗せてくれないか」と言われた。配達中のため難しいと伝え発進すると、男性は路地裏に向かい、斜面に面した崖下をのぞき込んだ。「道に迷っているのではないか」と思い、男性を車に乗せた。放置すれば、事故に遭ってしまうのではないかと不安を感じたからだ。

 助手席に座らせ住所を聞いたが、男性の答えが地名かどうかも分からず、同じ話を4回ほど繰り返した。すぐに県警本部に通報し、近くの駐在所に送り届けた。同署によると、男性は近所に住み、認知症を患っていた。早朝から姿が見えず家族が捜していた。

 ◇4回目

 岡村さんが担当する地域は山中の住宅もあり、人通りはまばら。過去には配達の途中で事故現場に遭遇し、人命救助にあたった経験もある。今年5月、92歳男性の運転する自動車が道路脇で脱輪しているのを発見。道に柵はなく、転落の可能性もあったため、すぐに駆け寄り、住所を聞き、家族の元に送り届けた。

 配達を始めて10年、保護に貢献したのは今回で4回目となる。配達中、一人で歩いている高齢者を見かけると「お散歩ですか」と声をかける。相手に不快感を与えず、異変に気がつけるようにするためだ。

 「新聞を毎朝届けていると、異臭や電気が連日ついているなど配達先の住宅に対する違和感に敏感になる」と語る。ポストに2日分の新聞がたまっていたら、離れて暮らす息子に連絡してほしいと頼まれることもあるという。

 ◇防犯尽力

 富山西署で19日に開かれた表彰式で、青木敬署長は「毎朝人通りの少ない場所にも足を運び、地域の防犯に尽力されていることは大変心強い」と感謝の気持ちを語った。

 賞状を受け取った岡村さんは「配達中でも男性に声をかけて本当に良かった。少しの声かけで命を救うことができることを知ってほしい」と話した。

 同席したYC大沢野八尾の高木晴央所長は「声をかけることに戸惑っている人でも行動に移せるようになってほしい。今後も、販売店を挙げてさらに地域密着で防犯意識を高めていきたい」と述べた。

 写真=(上)青木署長(左)から感謝状を受け取った岡村さん(中央)と高木所長(19日、富山西署で)

 写真=(下)岡村さんが男性を保護した山中。眼下には斜面が広がる(18日、富山市八尾町岩屋で)

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