犯罪トピックス

SNS投資詐欺 急増 9月以降 被害5億円超 北海道

カテゴリー:
特殊詐欺
都道府県:
北海道

2023年11月26日付 読売新聞朝刊12版・道社B

 SNSを通じて投資話を持ちかけられ、現金をだまし取られる被害が、北海道内で急増している。被害額は9月以降で計5億円以上で、「投資アシスタント」などとかたり、専門用語を駆使して被害者を信じ込ませるケースが目立つ。

 道内では、10月に十勝地方の50歳代女性が暗号資産の投資名目で1億1530万円をだまし取られたことが判明したほか、檜山地方の60歳代女性が8~11月に計約6500万円の被害に遭った。北斗市でも9月、40歳代男性の計約5450万円の被害が明らかになった。

 捜査関係者は「電話を使った詐欺の摘発が相次いでいることから、犯行グループがSNSを通じた投資詐欺に軸足を移しているのではないか」と分析する。道警によると、投資詐欺はSNSのダイレクトメッセージや広告をきっかけにラインのアカウントを交換すると、外国人や著名な経済学者を名乗るアカウントから、外国為替証拠金取引(FX取引)や暗号資産の投資をもちかけられるケースが多い。

 偽の投資サイトで利益が出ているように見える画面を提示し、さらに投資を促す手口もあるという。道警は「安易なもうけ話には注意してほしい」と呼びかけている。

 ◆専門用語使い 巧みに誘導 被害女性 相談せず後悔 

 「投資詐欺の存在は知っていたが、まさか自分が被害に遭うとは……」。1000万円超をだまし取られた札幌市に住む60歳代の女性は声を落とした。

 投資に興味があり、SNS上の広告をクリックしたのがきっかけだった。8月12日、投資アナリストを名乗るアカウントからラインが届く。やり取りを始めると、すぐに「投資のスキル共有」と銘打ったグループに招待された。

 「今週5%以上の利益でました」「まだ銘柄買えますか」――。景気のいい会話に心が動いた。約3週間後の9月4日、「必ず5倍から10倍の利益目標を達成できる」とカスタマーサービスを名乗るアカウントを紹介され、呼びかけられるままに連絡をした。すると、「早くやらないともうからない」と畳み込まれ、1000万円以上を指定された口座に振り込んだ。

 違和感を感じたのは、10月下旬だった。これまで投資したお金を引き出そうとしたが、「上級会員にならないといけない」と逆に追加で現金を振り込むことに。さらに、金銭を要求されたときにようやく被害に気が付いたという。

 「少しでも違和感を感じたら、すぐに周囲に相談するべきだ」。女性は後悔をにじませた。

 

記事の絞り込み

TOP