犯罪トピックス

警察が昨年1年間に認知した特殊詐欺4年ぶりに増加 全国

カテゴリー:
特殊詐欺
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全国

全国の警察が昨年1年間に認知した特殊詐欺は前年比911件増の1万4,461件で、4年ぶりに増加した。警察庁が3日に発表した犯罪情勢統計(暫定値)でわかった。高齢者が狙われており、各地の警察が取り締まりを進める。

警察庁によると、特殊詐欺の認知件数は2020年までに3年連続で減少していたが、昨年は「還付金詐欺」が4,001件(約45憶円)に倍増した影響などで再び増加に転じた。被害額は前年から約7憶円減って約278憶円だった。

還付金詐欺は、医療費が戻るなどと偽り、現金自動預け払い機(ATM)で携帯電話越しに機械を操作させ、現金を振り込ませる手口。被害者の94%が65歳以上の高齢者だった。

特殊詐欺を含む刑法犯全体は56万8,148件で、戦後最小を更新した。ひったくりなどの街頭犯罪が大幅に減少する一方、虐待の疑いで警察が児童相談所に通告した子どもは10万8,050人、配偶者や恋人からの暴力(DV)の相談も8万3,035件で、いずれも過去最多を更新した。被害が広がっているサイバー犯罪の摘発も前年比24%増の1万2,275件で、過去最多となった。

犯罪情報統計に合わせ、警察庁は5,000人を対象に行った治安に関するアンケート結果も公表。「ここ10年で治安は良くなったか」という質問に、「どちらかといえば」を合わせて64.1%が「悪くなった」と回答し、「体感治安」の悪化が浮き彫りとなった。

悪化を感じた時に思い浮かべた犯罪(複数回答可)は「無差別殺傷」が最多の79.1%で、「特殊詐欺」が69%、「児童虐待」が61.1%だった。警察庁は「調査結果も踏まえ、より実効性のある対策に取り組んでいく」としている。

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