犯罪トピックス

ニセ警察詐欺 岡山県

カテゴリー:
特殊詐欺
都道府県:
岡山県

2026年3月4日付 読売新聞大阪朝刊・岡山

 岡山県警によると、倉敷市の女性(79)は1月上旬、自宅の固定電話にかけてきた警察官などをかたる男らに、「あなたは詐欺グループの犯人のリストに入っている」などと言われ、促されるままスマートフォンにSNSアプリをインストールした。 

 女性がそのSNSのビデオ通話で話した相手は、警察官を名乗るスーツ姿の男で、顔を隠すことなく偽の警察手帳を見せながら、「潔白を証明するには、金融庁にあなたの口座にある紙幣番号を調べてもらう必要がある」といった内容のことを言葉巧みに説明した。 

 数日後、自宅に来た金融庁の職員を装った男に、用意した現金2000万円を渡してしまった女性は、県警に「手帳を見せられ、本物だと思ってしまった」と話したという。 

 かつては電話口で警察官をかたるだけだった詐欺グループの手口は、SNSのビデオ通話に誘導し、制服姿で登場するなど進化。時には「取り調べ」も行う。視覚的にも信用させ、犯罪の成功率を上げる狙いがあるとみられ、県内では、自宅にレターパックで偽の逮捕状が届いたケースもあった。 

 県警によると、ニセ警察詐欺は県内で2024年末頃から流行し始め、25年は119件で計約7億7740万円の被害が発生。今年に入っても被害が絶えず、1月は11件で計約8850万円をだまし取られた。 

 全国的にも同時期から被害が増え始め、警察庁もホームページで手口や犯人とのビデオ通話映像などを公開し警鐘を鳴らしている。 

 昨年の被害は全体の半分以上を20~40代が占めているといい、県警生活安全企画課犯罪抑止対策室の小川俊幸課長補佐は「SNSに慣れている世代が被害に遭っている。警察への信用度も相まって『捜査や取り調べにSNSを使う時代か』と不信感を抱かず、嫌疑を晴らすために指示に従ってしまっているようだ」と話す。 

 県警は▽捜査に関する連絡はSNSでは行わない▽ビデオ通話で取り調べはしない▽捜査名目で金銭は要求しない――ということを呼び掛けていて、小川課長補佐は「警察を名乗る人から電話があってもすぐに信用せず、一度、最寄りの警察署に相談してほしい」と話している。 

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