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2024年9月12日付 読売新聞朝刊12版・山梨
山梨県警は11日、県内の60歳代女性と50歳代男性が現金計約1000万円をだまし取られる電話詐欺の被害にあったと発表した。県内では警察官を装った男から現金を要求される詐欺事件が相次いでおり、県警が注意を呼びかけている。
発表によると、昭和町の60歳代女性は8月5日、警察官や検事を名乗る男から「詐欺グループの押収物にあなた名義の携帯電話があった。報酬を得るために個人情報を売った容疑がかけられている」「保釈保証金を支払う必要がある」などと電話があった。女性はその後、949万円を指定された口座に振り込んだ。
南アルプス市の50歳代男性は9月2日、警察官をかたる男からの電話を信じ、25万円を指定された口座に振り込んだ。いずれも送金後に連絡が来なくなり、被害に気付いたという。
県警組織犯罪対策課によると、警察官をかたる男による電話詐欺は、2021年が1件、22年が0件、23年が3件だったが、今年は11日現在で9件と急増。今年の被害額は、約7540万円に上る。警察手帳をみせるなどして被害者を信用させる手口も多い。
23~24年に起きた被害12件のうち、6件はLINE(ライン)に誘導され、やりとりし、被害者には警察手帳や逮捕状と似せた写真が送られていた。ビデオ通話を利用した被害も2件あり、男は警察官の制服のような格好をしていたという。
今夏に1752万円をだまし取られた甲府市の80歳代男性は、警察官をかたる男に電話で、「あなたに逮捕状が出ている。詐欺の捜査で金庫の現金の指紋を採取する必要がある」などと言われた後、ラインで警察手帳などと似せた画像を見せられて信用してしまい、指定された住所に現金を送ってしまったという。
県警は「警察官が現金を振り込むよう求めることはない。ラインでつながろうとしたり、警察手帳を見せたりすることもないので、すぐに通報してほしい」と呼びかけている。
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