2024年8月6日付　読売新聞朝刊13Ｓ版・埼玉東

　埼玉県久喜市や桶川市などで１日以降、住宅や店舗などを焼損する７件の火災が相次ぎ、１人が軽傷を負った。いずれも火の気のない場所で出火し、半径約３キロの範囲に集中しており、県警は連続放火の可能性があるとみて捜査している。

　久喜市や桶川市などでは４日未明から早朝にかけ、理容店や民家などを全焼する火事が５件発生した。県警は夜間巡回などを強化したが、５日未明にも、久喜市菖蒲町小林の男性（７６）方の倉庫と、倉庫内のトラクターなど車４台を全焼する火事が発生した。

　民家だけでなく、ビニールハウスや物置などの火事も起きており、県警内では「土地鑑のある人物が徘徊（はいかい）し、手当たり次第に燃えやすいものを狙っている可能性がある」（捜査関係者）との見方もある。県警は火災現場の周辺で、警察官の巡回回数を増やすなど警戒を強化している。

　久喜市菖蒲町菖蒲では５日午後、県警が前日早朝に発生した住宅火災の実況見分を行った。近所の７０歳代の男性は「４０年近く住んでいるが、火事は一度もなかったので、びっくりした。放火だったら本当に怖い」と不安そうだった。