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ぼうはん日本

全国読売防犯協力会
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第1回
漆間 巌

警察と防犯ボランティア団体の連携強化による 「治安」の更なる改善

2008年08月25日

「全国読売防犯協力会」は、平成16年7月に発足以来、今年の6月までに、47都道府県警察と「防犯に関する覚書」を締結し、「ぼうはん日本」と題した ホームページを開設して、市民に役立つ犯罪・防犯情報を総合的に提供し、民間防犯意識の向上に努められておられるとのことで、そのご努力に対しまして、先ず以って敬意を表します。

また、「ぼうはん日本」を見ましたら、貴協力会では、昨年7月に治安や防犯活動に関するアンケート調査を実施され、その結果から、「防犯ボランティア団体と警察が連携した防犯パトロールなど、身近な防犯への取り組みが、全国的な刑法犯認知件数の減少をもたらし、『安全』との意識に一役買っているともいえるでしょう」とのご見解が掲載されておりました。

そこで、現在の日本の「治安」をどのように捉えたらよいのか、私自身の考えをお伝えしたいと思います。

今年2月に行われた内閣府の「社会意識に関する世論調査」によりますと、「国の政策に対する評価について」という項目の中で、「悪い方向に向かっている分野」として「治安」をあげた人の割合が31.6%になっておりました。

この調査は、昭和46年以来ほぼ毎年のように行われておりますが、「治安」がワースト1位になった平成17年2月調査の47.9%と較べると、16ポイ ント余り下がったことになります。この点は、「日本の誇り」についての前記世論調査結果で、「治安の良さ」をあげた人の割合が平成17年時点では18%と 最低であったものが、今年は30.1%と増加したことと併せて考えますと、国民の「治安」に対する意識が変わってきていることを示すもので、貴協力会のアンケート調査結果と類似しております。

この世論調査は、調査時点の社会・政治情勢の影響を受けやすい訳ですが、3年連続で「治安」に関係する数値が改善していることは、平成15年以降の犯罪の減少傾向を反映したものと言えるでしょう。

平成15年から「街頭犯罪・侵入犯罪抑止総合対策」を実施している都道府県警察の活動と、「地域社会の再生」を掲げて、それぞれの地域が犯罪を抑制する事を目指して、住民の連帯感、結束力を高めるため、地道なボランティア活動に力を傾注し始めた事とが相俟って、この様な良い成果に結びついたと思われます。

他方、社会全体のモラルが低下し、無差別かつ衝動的な犯罪の報道が連日のように行われている中、「治安」をテーマにした読売新聞社の年間連続調査「日本人」では、自分や家族がいつ犯罪に巻き込まれてもおかしくないという国民の不安が69.8%にのぼる、と3月31日付朝刊で報じております。このような所謂「体感治安」を、どのようにしたら改善できるのかということは大変困難な問題であります。

とは言え、刑法犯の認知件数が初めて200万件を超えた平成10年までは、前述した世論調査で、「治安の良さ」が日本の誇りの第1位であると考える人の割合が高かった年も多かったですので、同件数が200万件を切った現在、警察と地域社会が協働して犯罪の抑止活動を地道に続けていくことができれば、「体感治安」を含めて「治安」は更に改善できると信じております。

今年の「警察白書」によりますと、平成19年12月末現在、警察が把握している防犯ボランティア団体は、全国で3万7,774団体であり、これらの団体の構成員は約234万人に上っております。

貴協力会が警察との連携をより強化して、全国の防犯ボランティア団体にとって、大いに役立つ犯罪・防犯情報を、今後とも継続して提供されるよう期待しております。

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