みんなで守ろう!地域の安全
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写真は、相馬警察署の庁舎
相馬警察署尾浜駐在所
福島県相馬市原釜字金草94-2
電話 0244-38-8134
駐在所の管内状況
はじめに、福島県は、観光の名所として鶴ヶ城や猪苗代湖、あぶくま洞、磐梯山、三春滝桜など全国的に有名な場所が多くあります。
相馬警察署は、JR常磐線「相馬駅」から南に約1キロメートルの場所にあり、福島県の最東北端に位置する相馬市及び相馬郡新地町を管轄しています。
東側は、太平洋に臨み、県立自然公園「松川浦」、白浜青松の松川から大洲海岸は景勝地であり、国際港「相馬港」があります。西側は、阿武隈高地に沿って宮城県丸森町や伊達市と隣接し、北側は、県境を経て宮城県亘理郡山元町と隣接しています。
また、国の重要無形文化財「相馬野馬追」は、安全祈願祭として全国的に有名です。
写真は、再開された原釜尾浜海水浴場
駐在所の再建
2011年3月11日(平成23年)発生の「東日本大震災」により旧尾浜駐在所及び相馬市周辺の地域は大津波によって全壊しました。
相馬警察署には、復興支援係(ウルトラ警察隊)が設置され、現在8名編成によって、警察署管内及び福島県内被災地の治安維持活動、行方不明者の捜索活動、各種交通安全、防犯イベント等が行われています。
現尾浜駐在所は、2014年(平成26年)旧駐在所より国道寄りに再建され、現在に至っています。東側は漁師や高齢世帯が多く、西側は被災住宅や若い人たちが住んでいます。
福島県警初の警察官夫婦駐在所
相馬警察署を訪問した際、地域課長(根本良一警部)に挨拶後、署長室に案内され、村上祐司署長にお聞きしました。相馬警察署では、福島県警初となる警察官夫婦の駐在所が配置されていることを教えていただきました。その駐在所は尾浜駐在所です。駐在所は、尾浜駐在所のほか4ヶ所の駐在所がありますが、交番制度はないということです。
旧駐在所は、東日本大震災で全壊しましたが、現在の駐在所は再建され、3代目の駐在さんです。
2018年4月、着任された勤務員は、亀岬大和(かめさきだいわ)巡査部長(42歳)と夫人の麻美(あさみ)巡査部長(36歳)のご夫婦です。
写真は、尾浜駐在所の亀岬大和巡査部長(左側)と夫人の麻美巡査部長
県警主催「警察署通信指令競技大会」で相馬警察署が優勝
さらに、村上署長からお聞きしました。亀岬大和巡査部長は、2018年福島県警主催の「警察署通信指令競技大会」において、相馬警察署代表の一員として参加し、亀岬大和巡査部長ら多大な功労により相馬警察署が優勝されました。また、福島県警代表の一人としても全国大会に出場して準優勝されました。
すばらしいことだと感激しました。おめでとうございます。
《尾浜駐在所の前で、亀岬さん夫婦に暖かく笑顔で出迎えを受ける》
今回、亀岬巡査部長夫婦に福島県警の駐在所取材の趣旨をお伝えした後、折角の機会なので何点か取材させていただきました。
その取材内容は次のとおり。
■駐在所着任など教えてください
亀岬巡査部長夫婦は、2018年(平成30年)4月に相馬警察署に同時に赴任し、署長から夫婦が尾浜駐在所勤務の辞令をいただき、間もなく1年が経ちます。
亀岬大和巡査部長は、相馬警察署の前は石川警察署地域課で勤務しており、出身地は千葉県船橋市になります。実務経験は約10年と短いのですが、民間会社で数年経験して「人の役立つ仕事がしたい」という気持ちから県警採用を受験しました。
また、夫人の麻美巡査部長は、棚倉警察署地域課から赴任しました。出身地は福島県です。警察官である父の背中を見て「警察官に憧れて」志望しました。
なお、二人は2016年(平成28年)に結婚されています。
■駐在所の勤務について教えてください
亀岬巡査部長夫婦が勤務している尾浜駐在所は、住居と勤務場所が同一場所にあり、1階が勤務場所になっており、その2階が住居です。
受持ちの尾浜駐在所は、相馬市街地の東部に位置しており、担当区域の広さは約11.5平方キロメートルです。世帯数は約2,700世帯、人口約6,800人です。
最初に駐在所勤務に就いたときは多少なりとも不安でしたが、私たちを地域住民の方々が温かく迎えてくれてすぐに地元に溶け込むことができました。その不安もすぐ吹き飛んで、とてもやりがいがあると感じています。
駐在所勤務は、交代制の勤務で週1回は、警察署内で当番勤務を夫婦交代でしています。週休も夫婦交代で取得できるようになっています。
毎朝、近くの小学校生徒の通学時に交通整理や地域の防犯パトロールなどを行っています。
■休日の過ごし方駐在所の大変なところを教えてください
休日の過ごし方は、駐在所に来てからは夫婦共通の趣味を持つようにしています。趣味は、登山や魚釣りなどで楽しんでいます。ロッククライミングや近くの漁港(相馬港)などでアジ、カレイなどを釣っています。
ときどき食卓には釣った新鮮な魚を料理して食べています。駐在所勤務となってから、夫人は魚を三枚にさばくのも上手になったそうです。毎日の料理は夫婦交代で当番制でやっているそうです。
■駐在所管内の犯罪傾向など教えてください
この地域は、工事現場から資材・金属類を狙った窃盗事件や海水浴場などで置引き、自動販売機荒らしなどが発生し、また、国道6号線など主要幹線道路での交通事故などが発生していますが、比較的事件事故の少ない地域です。
■駐在所だよりなど作成していたら見せてください
駐在所だよりは、概ね2か月に1回の頻度で作成しています。その他に緊急でお知らせする場合は、その都度作成しています。その一例を紹介します。
写真は、尾浜駐在所だより
■亀岬さんご夫婦が目指す警察官像を教えてください
尾浜駐在所において県警初という夫婦が駐在所で勤務できて、とても光栄です。その名に恥じないよう駐在所勤務に精一杯頑張ります。今後、私たちのような福島県警内に同様の夫婦駐在所が増設されていくことを願っています。
まだ1年という短い勤務ですので、現在の仕事を精一杯頑張っていきたいと思っています。どんな仕事にも前向きに取り組んでいきたいと思います。このように私たち夫婦が同じ場所で一緒に勤務できることが、警察官として最高に幸せなことです。
最後に、本当に仲の良い亀岬さんご夫婦を見て一言申し上げます。今後、お二人の益々のご活躍を祈念申し上げます。本日は、本当にご多忙中のところ、ありがとうございました。感謝申し上げます。
【追記】
駐在取材終了後、相馬市内の復興後の状況を案内していただきました。復興が徐々に進んでいる中で原釜尾浜海水浴場が再開され多くの海水浴客で賑わいが戻りつつあるそうです。イチゴ栽培も活気を戻し非常に盛んです。
また、8年前の大震災では、尾浜駐在所をはじめ多くの住宅が流出し、尾浜駐在所管内で約200名が犠牲になりました。その慰霊碑が建てられています。
相馬市東日本大震災慰霊碑
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