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身近に感じた「過疎化と高齢化現象」

2014年12月
販売企画調査部 佐藤大吉

部員の実父の葬儀があったため、鹿児島県の霧島方面に行ってきました。11月半ば過ぎだったのですが、紅葉は始まったばかりの様子でした。空港から斎場までタクシーに乗車。目的地に到着したため車を降りると、目前にこんな看板が設置されていました。「STOP! 撃ちません 獲物の確認 できるまで」――。空港からクルマで約30分ほどの町でしたので、そんなに山奥というイメージが私にはありませんでした。その看板は、バス停の待合ベンチの後ろに立っています。時刻表を見てみると、水曜日の午前中に3本の定期便があるだけでその他の6日間はバスが来ないことになっています。

斎場の職員の方に訊いてみると、「午前3本の1番早いバスで病院に行き、残りの2本のバスで帰ってきます。ここにはおじいさんとおばあさんしか住んでいませんから」と、突然、東京からやってきた見知らぬ男に答えてくれました。60代後半の白髪混じりの優しい目をした男性でした。さらに、「昔と違って、子どもが極端に少なくなりました。空港から来られるまでの間に、子どもの姿をほとんど見なかったんじゃないですか? このあたりの小学校は創立してから140年くらいの歴史があるところばかりなのですが、この近くの小学校は全校生徒30人程度です。かつては金の採掘が行われ、農業も盛んだった時もあったようですが、今はお茶、栗、シイタケなどを細々と育てながらハイテク産業や印刷業などの会社員として働いている方が多いんじゃないでしょうか? 子どもの声が聞こえないって、とても寂しいことですね」と、目尻を下げてわずかに微笑みました。

この男性も、一時はこの地を離れ、東京で暮らしていたそうです。最近、ご両親の面倒を見るため、地元に戻り葬儀社に職を求めたとおっしゃっていました。

当地は先述の通り、ハイテク産業や印刷業など、地元の雇用を創出している有名メーカーがあるものの、斎場の職員の方の話によると、人口流出に歯止めはかかっていないようです。雇用の創出だけでなく、病院、スーパーをはじめとする生活モデルパターンを作り出さないことには、人間はなかなか土地に定着しないといえそうです。

日本の人口はこのまま減少し続けることは間違いありません。このような難題をどのような形で乗り越えるのか――。子孫にうまくバトンタッチができるよう、私たちは課題に真正面から取り組む覚悟が必要なのかもしれません。

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