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ゴルフは奇跡のスポーツだっ!

2014年10月
販売企画調査部 佐藤大吉

私とゴルフの出会いは、40年以上も昔のことです。

当時、毎週日曜日に日本テレビ系列で放映されていた「ビッグイベントゴルフ」が、ゴルフとの出会いです。確かミユキ野球教室の後の枠で、午前10時か11時? から放映されていました。主にアメリカPGAツアーを中心に映像が流れていたと記憶しています。

アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラウス、ジョニー・ミラーが、金髪を風になびかせながら力いっぱいクラブを振り抜くと、青空に吸い込まれるようにボールが飛んでいきます。陽気なメキシコ系アメリカ人リー・トレビノは、低い弾道のスライスボールを駆使して帝王ニクラウスと互角に渡り合い、彼らの好敵手だった南アフリカのゲーリー・プレイヤーは、小柄ながらも鋼のような肉体からスピンの効いたショットを繰り出しました。彼らに操られたボールは、まるで意思を持っているかのようにカップへと向かっていきます。北米大陸で繰り広げられたゴルフというスポーツは、その視聴回数で、私にはメジャーリーグ・ベースボールよりも身近なものでした。

私が27歳になる年の2月でした――。

会社が吸収合併となり、在籍者には退職金が支払われました。毎月の薄給で生活していくのがやっと。賞与はクルマのローン支払いやスーツを購入してしまえば、手元に残るのはほんの僅か――。そんな入社3年目の冬に、まとまったお金が入ったのです。「退職金を何に使おう――」などと周囲の同僚たちは考えていましたが、私は即決でした。「ゴルフクラブを買うぞっ」!

大学の法学部大教室から、某ゴルフ場のミドルホールが見通せました。ホールの両側に整列している松の木々の緑が眩しいときも、枯れ落ちた松葉が土色となって芝の枯れ色と同系色になるときも、広葉樹が色づく季節も、プレーする人が途絶えることはありません。聞いたところによると、このゴルフ場は戦後GHQが軍人のレクレーションのため建設を始め、紆余曲折を経て1949年に完成。翌年の朝鮮戦争特需により会員数が急増した歴史あるゴルフ場だと、50歳になって初めて知りました。名門ゴルフ場のため、今も私はプレーする機会に恵まれていません。

「少なくとも、4トントラック2台分は球を打て」。当時90台でラウンドしていた先輩にそう言われました。最初は練習場の貸しクラブ(5I)で打ち始めました。先輩らは「最初は必ず空振りするぞ」と言っていましたが、私の場合、空振りすることはありませんでした。それどころか、初めからボールの軌道はフックでした。野球とは違って、ボールは想像以上に遠くへと飛んでいきます。仕事を終えた後に足繁く通ったゴルフ練習場――。カクテル光線の中を飛んでいくボールの軌跡を見ながら、毎夜12時頃まで球を打つという日を送りました。

私の100切りは、クラブを握って半年後、会社のゴルフ同好会のコンペでした。スコアは89。100切りどころか一気に90切りも達成してしまいました。ハンデ30の出場でしたので、ぶっちぎりのトップ。
ネット59、13アンダーというお化けスコアでした。上司の怒鳴り声がコンペルームから聞こえてきます。幹事だった「トラック2台分は――」と言った先輩は、上司から「アイツのハンデ申告はウソだっ! 優勝取り消しだっ!」。こうして先輩や同僚から祝福の言葉はまったくなく、優勝は2位になったどこかの部の中年社員になり、一件落着。当事、「初出場は優勝なし」というコンペの規則がこの同好会になく、私の一件からその条項が加えられました。次戦以降のハンデはアンダー分の13と、13の3割の4を足した計17が30から差し引かれ、新ハンデは13ということになりました。

この上司が先輩に浴びせ続けた罵声(半年くらい私の先輩は、折に触れてこのハンデ申告はウソで、アイツ(私)はウソつきと言っていました)が、私の闘志に火をつけました。

その後、総務部門から異動となりゴルフの回数が格段に減ったものの、次々回の出場では83。ネット70で優勝し、ゴルフはいよいよ「マイブーム」になってしまったというわけです。

ところで、ここまで読めば、「あなたのベストスコアは?」と聞いてみたいですよね。私のベストスコアは76(アウト40、イン36)で、15年くらい前に記録。今年も2度目の76(アウト37、イン39)を記録しましたが、ベストスコアの更新がなかなかできません。ケガや大病によって一時プレーできなくなったことが、通算すれば4年程度ありますが、それにしても、ベストスコアの更新は本当に難しいなぁとつくづく思います。一つひとつのショットはうまくいっても、そのつながりが悪いとスコアが良くならないのです。

ベストスコアの更新ができそうで、できない。これこそ、ゴルフというスポーツの醍醐味です。ゴルフをやられる方なら、ご理解いただけるものと思いますが、今日と同じ条件下でボールを打つなんてことは二度とありません。たとえ同じゴルフ場で、同じボール、同じクラブを使ったとしても。天気、気温、風の強弱、風の方向、芝の状態、ボールのライ(浮いている、沈んでいる)、その日の体調や精神状態を含め、すべてに同じ状況が揃うことは皆無と言っていいでしょう。プロでさえ、前日のスコアと今日のスコアが10打も違うなんてことは日常茶飯事です。

ですから、アマチュアである私たちがスコアの良し悪しに、いちいち喜怒哀楽を見せる理由なんて何処にもないのです。なぜなら、ゴルフというスポーツは奇跡と向き合っているのですから――。

400ヤード・パー4のホールは、360メートル先にある直径108ミリのカップの中に、規定打数4打でボールを入れようと出された問題であり、バーディー(規定打数のマイナス1打)、パー(規定打数)、ボギー(規定打数よりプラス1打)などでホールアウトしようというのですから奇跡以外の何ものでもないのです。

「ダフった」「トップした」「シャンクした」などと、決してクヨクヨしてはいけません。私(私たち)は、ショットの数だけ奇跡を起こすためにクラブを握っているのです。もっと気持ちを寛容に持ちましょう。

すべてのショットが、奇跡を生み出す「ナイスショット!」なのですから――。

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