みんなで守ろう!地域の安全

文字サイズ:

ぼうはん日本

全国読売防犯協力会
〒100-8055 東京都千代田区大手町1-7-1
TEL.03-3216-9024 FAX.03-3216-7113

合唱団サマーコンサート

2014年09月
販売企画調査部 佐藤大吉

夏休みにも関わらず、小学3年生の娘は8月11日から18日を除く月~土曜日の朝8時30分から昼12時まで合唱団の朝練に毎日通いました。小学校の先生もご苦労なことです。

家内に聞いてみると、入団のきっかけはクラスで一番仲良しのMちゃんが合唱団に入ること、「アナと雪の女王」の映画を鑑賞したことだったようです。もちろん、娘自身も幼稚園の頃から習ったばかりの歌を家で口ずさむことが多く、歌うことが大好きなのは言うまでもありません。でも、「合唱団に入りたい」――という娘の意思表示には、ふだん特に主張をするような子どもではないため、少し驚きました。果たして、娘は毎朝早起きしてラジオ体操を行い、一日も休むことなく通学し、練習に励みました。

8月24日、とうとうサマーコンサート本番の日がやってきました。午後4時開演のコンサートに、親の私は胸をドキドキさせながら、小学校へと向かいました。「毎日、この道を通学しているんだな」と周りの景色を見ながら、少し嬉しいような、少し恥ずかしいような気持ちになり、通学路を娘といっしょに歩いているような心持がしました。
体育館に到着してプログラムを見ると、「校歌」をはじめ、「ふるさと」「おぼろ月夜」「茶摘み」などの懐かしい歌や「シーラカンスをとりにいこう」という私の知らない歌まで合唱することがわかりました。
合唱団は小学3年生が一番年下。小学6年生までの男女合計68人で構成されていると、指揮者の先生のあいさつがあり、ピアノの調べが静かに体育館に響き始めました。
娘は最前列。ピンクのTシャツ姿です。

♪ うさぎ追いし かの山  小鮒釣りし かの川
                                                  夢は今もめぐりて 忘れ難き ふるさと ♪

先生に教えてもらったのでしょう。大きな口を開け、一生懸命歌っています。彼女の声だけが聞こえてくるような錯覚に陥るほどです。「ふるさと」の合唱は、次々に歌われる曲の最後にまた歌われるようで、一番が終わると、次は「茶摘み」の歌が始まりました。学年ごとの班構成になっているのか、娘は舞台の最上段へと場所を移しました。当然、私の目も娘を追うことになります。時間は刻々と過ぎ、「ふるさと」を最後の曲として、グランドピアノの演奏が始まりました。

♪ いかにいます父母 恙無しや友がき
                                                   雨に風につけても 思い出ずるふるさと ♪

亡くなった大阪のおじいちゃん(私の父)を、私は思い出していました。山形の庄内地方に生まれ、仕事で大阪へ来阪。そのまま大阪で商売を始め、見事成功を収めました。その父がよく「ふるさと」を口ずさんでいました。娘は、おじいちゃんが一番大好きだったのです。帰省すると、二人でおじいちゃんの部屋にこもり、色んなお絵かきをしていたものです。そんな父は娘が年中時の3月31日、ふるさとに戻ることなく、大阪の地で最期を迎えました。

「おじいちゃん、Rちゃんが『ふるさと』歌ってるで。聴いてるか?」――。私は独りごちました。そして、私自身、娘が年少のとき、急性心筋梗塞に倒れ、死線を彷徨った過去があります。歌っている娘の成長ぶりに感動を覚え、あと何年、彼女の成長を見届けることができるのだろう――と、私の気持ちは高ぶりました。気づくと、熱いものが頬を一筋流れ落ちていました。

今年の夏の思い出でです。
♪ 志を果たして いつの日にか帰らん
                  山は青きふるさと 水は清きふるさと ♪
                                                                〈作詞〉高野辰之 〈作曲〉岡野貞一

戻る