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ぼうはん日本

全国読売防犯協力会
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冊子「言霊(ことだま)」

2012年02月
読売防犯協力会 参与 髙嶋光生

私は、警察人生37年を送った中で、警察学校の教官、監察官室、警察署等の管理部門にいて、人の生き方について学ぶ機会が多くありました。特に署長の訓示を聞き記録しておく立場にもいたため、話を自分のノートに書き留めていました。

警察人生が残り1年となったとき、福岡空港警察署の地域課長に任ぜられ、そこで、書き留めていた言葉を朝の点呼終了後、課員(20数名)に毎日紹介することにしました。立派な言葉ですから、それを実行することはできないと思いましたが、耳にした課員が一つでも自分のものとして活用してくれたらと思い「兎に角」言い続けました。もちろん、課長指示という面もあり、話したことは、署長決裁ということで記録化されていました。

退職が近まった平成21年3月のある日、「課長、記念品です」と言って、地域課のY巡査部長から1冊の冊子を手渡されました。それは私が1年間話した内容を一つにまとめたので表題には「言霊」とありました。その中に書き留めた言葉は1年間で220を超えていました。(以下のページに一部紹介)

①言葉の不思議

今日もこの冬一番の寒気団が来て、朝、庭木が真っ白になりました。雪の結晶はきれいな模様です。ところがコップに入れた水に汚い言葉を吐きかけてできた雪の結晶は、崩れているということです。言葉には魂が宿っていると言わんばかりです。汚い言葉ではなく、きれいな言葉をかけた結晶は美しい姿をみせるらしい。

②83(ハチサン)運動

庭にある「びわ」や「夏みかん」などの落ち葉が歩道に落ちるため、歩道の掃除を日課にしていました。ある日の朝、通学途中の子どもが自宅横の歩道を歩いていたので、「おはよう」と声をかけました。最初のうちは、あまり良い反応はありませんでした。しかし、まもなくすると元気よく「おはようございます」という返事が返ってくるようになりました。高学年の女生徒からは「お疲れ様です」という労いの言葉も返ってくるようになりました。いい返事が返ってきたら、一日中、心が軽く感じられます。言葉のやり取りは大切だと思います。
(※83運動は、地域住民の防犯活動の一つで、午前8時と午後3時に登下校の子どもたちを見守る運動のことです。)

③先祖供養

先祖供養について仏教で教えていることは、流派・流儀があり私にはわかりません。ただ、亡き父や母のことを思い偲んでやることも先祖供養の一つではなかろうかと思います。両親との思い出を少し話します。

父親は、私が1歳のとき大病を患い、生死の淵をさまよっていたとき、神仏に助けを求めたといいます。これを契機に祈祷の能力が目覚めたと聞きました。私が小学生の頃、毎月21日に父が実際に祈祷しているのを見ていました。私にはわからない世界ですので、祈祷とはどのようなものかを聞いたことがあります。その時、父が言ったことは「きれいな着物を着たお姫様が出てくるので、自分が仲介人となって依頼人とお姫様が話をする。祈祷が終わればその内容は覚えていない」と言いました。私には理解できない世界でした。
子どもに対する深い愛情はどこの世界でも同じだということでしょう。
母が亡くなる前年の春に二人で散歩したときのことです。私の知らない花を指差して「あの花は、極楽鳥という花」と言っていたのを覚えています。本当の名前かどうかはわかりませんが、今思えば、親孝行をしていなかった私が散歩に連れて行ったことが、楽しいひと時で「極楽鳥」の話になったのだろうと思っています。

仏壇に手を合わせるとき、そんなことを考える余裕も出てきたということでしょうか。
以上、感じるままに書いてみましたが、言葉に魂が宿るとするならば、相手を思い、希望に満ちた力強い励ましの言葉を心がけたいものです。それが知らず知らずに自分を豊かにすることになるのではないでしょうか。

冊子「言霊」は、今は警察学校教官時代の自分の教え子の手元にあります。彼らに話した言葉もあり、彼らがその中の言葉を自分の「人生訓」の一つとして活用し、よりよい警察人生を歩いてくれればと思っています。と同時に、読売防犯協力会で地域貢献に精を出しておられる販売店のスタッフの皆さんの一助にもなれば幸いと思っています。

言霊(ことだま)
日本において言葉に宿ると信じられる霊的な力のこと。

(冊子「言霊」に挿入した言葉の一部)

  • 入りを計りて、出を制す
  • 和をもって貴しと為す
  • 官員は、公衆の膏血(こうけつ)をもって買われた物品の如し
  • 国を治むるの道は、寛(かん)猛(もう)中を得るに在り
  • 泣いて馬謖(ばしょく)を斬る
  • 天網(てんもう)恢々(かいかい)疎にして漏らさず
  • 管理なき組織は烏合(うごう)の衆に過ぎない
  • この道より我を生かす道なし、この道を行く
  • 片口聞いて公事(くじ)を分くるな
  • 少くして学べば、即ち、壮にして為すあり。壮にして学べば、即ち、老いて衰えず。老いて学べば即ち、死して朽(く)ちず
  • 少年老い易く、学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず、未だ覚めず地塘(ちとう)春草(しゅんそう)の夢、階前の梧(ご)葉(よう)既に秋声
  • 活用なき学問は無学
  • 巧遅より拙速(せっそく)
  • 蔵の宝より身の宝、身の宝より心の宝勝れけり
  • 忍の一事は衆(しゅう)妙(みょう)の門
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