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ぼうはん日本

全国読売防犯協力会
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ハンターと料理人

2010年09月
読売防犯協力会 参与 髙嶋光生

警察では、職務上の知識・技能の向上を図るための研修のことを「教養」と呼んでいます。教養は3つに大別されます。①一人前の警察官にするための基礎教養として初任科(初任総合科)教養、②幹部警察官を養成する初級幹部、中級幹部、上級幹部のそれぞれの課程、③専門的な知識を習得する専科教養です。

教養を受ける側にとっては、私自身もそうであったように興味のあることについては、真剣に耳を傾けますが、それ以外は、意外と漠然と聞いていることがあります。そんな中で、ある教官の授業を受けていて興味のある言葉が出てきました。「ハンターと料理人」についてでした。

ここで想定されるのは、鳥をハンターが射止めて、料理人が料理をして味付けをするということです。獲物を獲る人と料理する人が一体となって獲物は商品として、より高い価値のあるものになるというものです。教官は、このことを捉え、警察情報を生かすも殺すも情報を受けた者の迅速な対応が大事であると教えました。情報には迅速な対応が必要で、よく「巧遅より拙速」ということを言われていました。いくら立派な情報でも「時既に遅し」では何の役にも立たないということです。

インターネットの発達した現代では、特にそのことは言えるのではないでしょうか。警察の場合、ハンターは、地域のおまわりさんであり、刑事さんなどであると思います。そして料理人は、内勤事務の企画係や事件係などではないでしょうか。

新聞業界で考えるとハンターは取材記者で料理人は編成記者ではないでしようか。いい材料を入手し、読者にとっていい記事を提供する。

また、新聞配達員は、配達という行為によって地域の情報を入手している。それも早朝の人通りの少ない時間帯を1軒1軒配達しています。それも決まった時間にほぼ毎日配達しています。状況の変化には敏感になっています。ある意味では、ハンターです。私が警察官として現職であった数年前に、田舎の一軒家で殺人事件がありました。その事件の第一通報者は、新聞配達員でした。新聞が溜まっている。何となく家の様子がおかしい。そこで110番通報となったのです。警察は、事情聴取、現場保存、鑑識活動、聞き込み捜査などの一連の捜査を実施しました。

殺人事件として、特別捜査本部が設けられましたが、今のところ、犯人逮捕のニュースには至っていません。ハンターと料理人の関係でいえば、通報者はハンターで、捜査する警察官が料理人であるのかなと思います。

現在、防犯セミナーを通じて、地域貢献という仕事をしていますが、地域の住民が治安に対して不安に思っていることを販売店の所長さんが聞いて来る。それを地元の警察官に連絡をして、防犯セミナーなどを実施してもらっています。

この場合、販売店の所長さんはハンターで、地元の警察官は料理人なのかもしれません。治安という料理の味付けは、警察官にお願いするとして、私たち警察 OBは高いアンテナを立てて、情報を入手する体制にしておくことが必要であると思っております。地域社会に治安という味付けのお手伝いをする。そんな気持ちになるのは私だけでしょうか。

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