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ぼうはん日本

全国読売防犯協力会
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犯罪防止を目指す元保育士の若い駐在さん

2015年06月取材

【仙北警察署】

【中川駐在所】

~こまちに乗り秋田を目指す~

東京駅午前9時08分発の「こまち9号」に乗り、私たちは秋田市を目指しました。「ぼうはん日本/日本の交番・駐在所」の取材のためです。

事前に秋田県警察本部に、同コーナーの取材先につきお願いしたところ、旧角館町にある中川駐在所を推薦していただきました。秋田駅に13時01分に到着。私たちは同県警察本部を訪問しました。

〈その1〉秋田県警察本部訪問

全国読売防犯協力会は、全国47都道府県警察本部との間で「防犯覚書」を締結しています。しばらく、私どもの方がご挨拶に伺っていなかったため「防犯覚書」の継続をお願いにあがったというわけです。

〈その2〉秋田県仙北市について

仙北市の人口は、27,588人(2015年2月1日現在)で、総面積は1,093.56平方キロメートルです。秋田県の東の中央にあり、岩手県に隣接しています。①田沢湖町②角館町③西木村が合併して平成17年に誕生しました。

①田沢湖は日本で最も水深の深い湖として、学校の社会の時間に習いましたよね。その深さは、約400メートルを超えるといいます。また、田沢湖周辺からは多くの石器、土器、竪穴式住居などが見つかっていると、仙北警察署訪問時に教えていただきました。

②角館は約400年前、当地を治めた芦名氏により、積極的に城下町作りが進められたそうです。現在「観光の目玉」になっている武家屋敷は、その姿を今に伝えています。また、シダレザクラは武家屋敷地内に約400本植えられており、うち162本が「国の天然記念物」に指定されているそうです(仙北市教育委員会調べ)。毎年5月に行われる「角館の桜まつり」は、全国各地から約200万人もの観光客が訪れます。

【写真は、(左)武家屋敷通りと(右)シダレ桜の新緑】

③西木地域は江戸時代、桧木内地域から阿仁地域に多くの鉱山があり、銅を採掘していたそうです。平賀源内が当地の鉱山指導に招かれたといいます。「紙風船上げ」という上桧木内川地区の伝統行事は、平賀源内に由来するといわれています。

〈その3〉仙北警察署中川駐在所

同駐在所は、角館町のうち川原、山谷川崎、小勝田を管轄しているそうです。私たちが訪ねると、高橋武史巡査(26歳)が出迎えてくれました。若々しさが身体から満ちあふれる新進気鋭の警察官――というのが、私たちの持った印象です。奥様と娘さんの3人家族だそうです。


中川駐在所の受け持ち世帯数は何所帯ですか?

人口は、2,500人(男性1,200人、女性1,300人)で、900世帯が暮らしています。管内の面積は約36平方キロで、そのほとんどが山岳地域です。

仙北警察署で前職は保育士だったとお聞きしたのですが…

はい、そうなんです。「これからの日本を支えてくれる子どもたちを守りたい」と保育士になりました。

どうして転職に至ったのですか?

幼稚園に勤務していると、少なくとも年に1度は警察官がやってきて交通安全教室をします。警察官が子どもたちを指導する姿を見て、「子どもを守るには幼稚園の先生より警察官の方が直接的だ」と思いました。

高橋巡査の「駐在さん」としての勤務歴をお教えください。

駐在所に着任して2年目に入りました。

勤務は24時間体制のようなものですが、普通の会社でいうところの勤務時間をお教えください。また、休日はどのようにお過ごしですか?

駐在所の勤務時間は、午前8時30分から午後5時15分までとなっています。通学時間には小学校前の横断歩道に立って、子どもたちの安全を見守っています。 休日には子どもを連れて小学校の校庭で遊んだり、ドライブするなどしてリラックスするようにしています。

中川駐在所周辺の環境を見ると、ほとんどが農家世帯と思われるのですが、若いあなたに「違和感」のようなものはありませんでしたか?

人事を拝命し着任したとき、私が生まれ育った環境とよく似ていたので、勇気が湧いてきました(笑)。

高橋巡査が行っている「交通安全教室」の特長をお教えください。

幼稚園で働いていたころ、子どもたちに対する交通安全教育や、防犯教育が記憶に残るよう「パネルシアター」を使っていました。ですから、その経験を生かし、交通安全教育などでは「パネルシアター」を使うようにしています。「楽しく学ぶ」という意味では、たいへん効果が上がっていると思います。ときどき子どもたちから「ありがとう」の感謝の手紙を頂戴します。「がんばろう」という気持ちにさせられますね。

【写真は子供達からの感謝の手紙】

※パネルシアター=パネル(舞台)に布を使用し、不織布に絵を描いて切り取った絵人形を貼ったり、はずしたり、動かしたりしながら、歌やお話に合わせて演じるもの。紙芝居よりも手軽に作ることができるという。子どもたちには人気がある。

現在の日本社会は「超高齢社会」です。地域の方々にも高齢の方がいらっしゃることでしょう。オレオレ詐欺、特殊詐欺など、高齢者をターゲットとした犯罪に巻き込まれないとも限りません。高齢者を対象とした防犯教室などは実施されていますか?

「お茶っことがっこで誓う交通安全の集い」という活動を月に1回行っています。このあたりは交通量が少ないため、どうしても運転者に油断が生じます。一度事故が起これば、大事故になる可能性も秘めているといえます。「同集い」では、地域の高齢者の方に「やさしい交通マナー」と、合わせて「防犯指導」も行っています。

※がっこ(秋田の方言)=「漬け物」のこと。

【写真は中川駐在所だより】

当地域の犯罪傾向についての特長はありますか?

昨今の中川駐在所管内は、犯罪の発生はほとんどありません。交通事故は時々ありますが、物損事故で、人身事故はめったにありません。ときどき「山菜取り」の人が、山で迷うということがありますが…。

最後の質問です。「高橋巡査の目指す警察官とは…」、お教えください。

私が考える警察の役割は、「犯罪を未然に防止する」ことにあると思っています。特に駐在所は、地域の住民の皆さんに安心・安全を届ける重要な役回りです。ですから、これからも「防犯活動」に力を入れていきたいと思います。「駐在としては、住民の方々からの要望や意見がどんなに小さなものであったにしても、真摯に耳を傾けるよう心掛け、よき相談相手になれるようになりたいと思っています。


駐在所からタクシーに乗って角館駅に向かう途中、桧木内川沿いの桜の木がその葉を青々とさせていました。春にはきっと見事なほどの桜のトンネルが、川の両岸を一面ピンク色に染め抜いたことでしょう。

少し開けた窓から歓声が聴こえてきました。そちらに目をやると、中学生もしくは高校生くらいの姿でした。「修学旅行生ですよ」――。タクシーの運転手さんの「秋田訛り」のひと声が、当地に住む人たちのやさしさを物語っているような気がしました。

【写真は高橋巡査の家族】

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