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水難者救助活動に大活躍

2014年07月取材

 

 

水難事故の発生状況

埼玉県長瀞町は、海のない埼玉県民が涼を求める憩いの場であり、長瀞岩畳をはじめとする自然の造形美が人気の観光スポットです。なかでも長瀞のライン下りは有名で、多くの観光客が全国から訪れ、四季を通じて川下りを楽しんでいます。また、河川敷でのバーベキューは、その手軽さから東京近郊の観光客が多くを占めるといいます。
さて、秩父署によると、荒川での水難事故は毎年20~30件発生し、水難者は約40人にのぼります。救命救助に全力を挙げて取り組む秩父署では、警察用の船舶を水に浮かべるまで最短でも約15分の時間を要することに、かつては頭を痛めていました。なぜなら、通報を受け現場に急行しても、水難者が何キロも流されてしまっている現実があったからです。救命は救助するまでの時間が勝負であることは言うまでもありません。そこで、救助までの時間を短縮するための対策として、ラフトボートによる水難防止パトロールの実施と救助活動を考え、その導入に踏み切ったそうです。

 

山岳救助隊の経験を生かす

埼玉県警山岳救助隊副隊長と秩父署地域課係長を兼務する飯田雅彦警部補は、登山者の遭難事故に対応してきた経験を生かし、ロープで救助できる方法はないかと試行錯誤していました。そうしたとき、急流で自由自在に航行するラフトボートが目に留まりました。飯田副隊長は「遭難者に迅速かつ安全に近寄り、救助できる方法はないか」と、直ちにラフトボートツアー業者に相談を持ちかけました。

 

民間業者からの技術指導

エンジンのないゴムボートのような外観で岩に接触しても壊れにくく、持ち運びが簡単であること。急流の中で停止したり、上流へ遡ることも技術習得で可能になるという、その機能性に着目した飯田副隊長は、ラフトボートを水難者救助に活用できると確信。平成12年(2000年)、自身でラフトボートを購入して、ラフト業者から技術指導を受けました。

 

ラフトパトロール隊の結成

相次ぐ水難事故の発生を受け、平成13年(2001年)、埼玉県警はラフトボートの購入を決め、秩父警察署に、飯田副隊長以下21人の山岳救助隊員が兼務する形でラフトパトロール隊を結成しました。

 

水難者救助訓練

平成15年(2003年)から毎年1回、秩父警察署、秩父消防署、長瀞町役場、皆野町役場、ライン下り業者など官民一体となった水難者救助訓練を行っています。互いの意志疎通を図り、危険箇所や事故が発生しやすい気象条件など、情報を共有することで、効率的な救助活動につなげようとの狙いがあったそうです。訓練は成果へと結びつくようになり、平成25年(2013年)7月から8月の水難事故では、水難者数37人のうち、34人を無事救助することができました。
飯田副隊長は、「海のない埼玉県でありながら、平成25年7月から8月の水難事故の発生数は全国ワースト1位でした。しかしながら、ラフトパトロール隊員が水難者を早く発見し救助できるようになったことで、隊員の士気が高まっていると私は感じています。これからは水難事故の発生数を減少させることに力を注ぎたいと考えています」と話してくれました。
また、「体得した救助技術を全国の急流河川を持つ警察署に広めていくことができれば」――とも話し、水難事故から命を守る頼もしい彼の笑顔が印象に残った取材となりました。

 

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