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読売新聞の記事より

★[気になる!]激増ひったくり、不況が原因?

○減り続けていたひったくりが今、東京都内で再び激増している。では他の地域はどうなのか。調べてみると、ここに来ての増加は全国的な傾向らしい。不況が背景にあるとみられているが、振り込め詐欺との関係を指摘する声もある。

これまでは全国的にひったくりの減少が続き、2002年に国内全体で5万2919件だったのが、昨年は1万9145件までダウンした。

ところが都内では今年1〜4月の件数が昨年同期の1・5倍に。他の道府県では、全国ワースト1の汚名返上をめざし官民挙げての対策が進む大阪はさすがに微減だが、神奈川は1・7倍、愛知は1・3倍、埼玉は1・2倍に増えている。

警察庁によると、今年1〜4月の全国の件数は7020件で、昨年同期より13・9%多かった。同庁では吉村博人長官の指示の下、不況が犯罪情勢にどのような影響を及ぼすかの研究に着手しており、その担当者も目下の傾向について「雇用悪化との相関性があるという印象だ」と話す。

これに対し、「振り込め詐欺対策に警察官が大量動員されるようになり、結果的に地域のパトロールが手薄になったことが影響しているのでは」と語るのは、警視庁のある捜査員だ。

警視庁は昨年10月を「振り込め詐欺撲滅月間」と位置づけ、銀行などの現金自動預け払い機周辺の警戒に6000人の警察官を配置した。この月の振り込め詐欺は前月比で28%減となったが、ひったくりは逆に13%増えている。

立正大の小宮信夫教授(犯罪社会学)は「ひったくり増加の第1の要因は不況」としたうえで、「振り込め詐欺の摘発強化で『罪種間の移動』が起こっている可能性が高い」と言う。

ひったくりは「誰でも、どこでも出来る犯罪」といわれる。警察にとっては犯行予測が難しく、捜査の難しい犯罪といえるが、最近は街頭パトロールの強化などで抑え込んできた。

一方、振り込め詐欺は、犯人と被害者がじかに接触せず検挙が難しいうえ、成功すれば高額な金を手にできることから「ローリスク、ハイリターン」の犯罪とされてきた。だが、取り締まり強化で、現金を引き出す際に捕まる可能性が高くなり、「ハイリスク」になりつつある。そうした中で、振り込め詐欺に手を染めていた連中がひったくりに移ってきている、というのが小宮教授の見方だ。

警察には今後、ひったくりと振り込め詐欺の両方を視野に入れた対策が求められる。小宮教授は「どちらも住民の警戒次第で防いだり減らしたりできる犯罪。自衛の意識を高めることも大切だ」と話している。




【図は1〜4月のひったくり件数、昨年と今年の比較】


 

【図は昨年までの全国のひったくり発生件数】


(2009年5月13日 本紙朝刊から抜粋)